誰かの思いを叶えるために
2017.04.19
昨日、上げたコラム
メイクアップアーティストを目指し、技術・知識は身につけて、
学びの最終段階、接客と施術(メイク)をする授業のための
お客役として私が協力させていただいた際のお話のつづきです。
生徒さんはできない自分に涙していたことをお話しさせていただきました。
今日は先生の対応のお話です。
泣きながら
「すみません。できません・・・お客様の思っていることを上手く引き出す質問や、
自分の中のイメージを上手に伝えることができません・・・。」と自分の状況を訴えた
生徒さんに対して、
先生「分かりました~。では、○○さん、カウンセリングは続けられそうですか?」
生徒「どう質問していいのかわからないので、このままでは続けられません。」
先生「では、○○さんに代わって私がカウンセリングを行おうと思いますが、
よろしいでしょうか?」
生徒「よろしくお願いします」
先生「では、自分がカウンセリングする時に生かせるように、
しっかりと観察して下さい。」
生徒「分かりました。」
カウンセリングをはじめると、生徒さんはメモを取りながら、先生と私のやり取りを
しっかりと観察しています。時より、重要だと思う部分では、
先生が
「○○さん、この場合あなたならどうしますか?」
「ここで、この様にするといいですよ」
「自分がお客様だったらどんな気持ちになりますか?どうして欲しいと思いますか?」
などの質問を交えたアドバイスをしていきます。
カウンセリングが終了すると、
先生が、「○○さんメイクはできるでしょうか?」
先生は彼女の状態を確認している様子で質問していました。
カウンセリングが思うようにできなかったのに、メイクまで思うようにできなかったら、
今日の彼女の中に成功体験が何も残らない、対お客様に特化した
授業のはじまりのタイミングで
嫌な思いをすると、それを引きずる可能性のある生徒さんであることを先生が
理解しているからこその質問だと感じました。
先生の質問に対して生徒さんは、「すみません。今日はメイクもできないです・・・。」
先生は「分かりました。では、○○さん、今のカウンセリングでメイクのイメージは
できましたか?イメージできたならそのメイクを思いながら、
今から私が行うメイクの様子を見ていてください。」と、メイクをはじめました。
メイク中もカウンセリングの時と同じく質問を交えたやアドバイスをされていました。
できないことを責めない、生徒さんを怒るようなことは絶対にしないで
授業は進みました。
怒ってできるなら怒ります。でもそんなことしても、どうにもなりません。
できないことが何で、どうして行くことが最善なのか?生徒さんに理解して
納得して取り組んでもらえるようにすることが私の役目です。
先生の言葉や雰囲気からそういう気持ちが伝わってきました。
先生は真に生徒さんの叶えたい幸せな未来を見据えているのだな・・・。
そう感じました。
この先生はメイクの講師であると同時に、
NLP心理学の講師でもある方なので、その心理学を用いて
教えることを担っています。時に厳しいことを言われますが、その伝え方は
本当に上手く、何よりも生徒さんの思いを引きだすことを大切にし、
生徒さんが自分で伸びていけるように導いています。
私はメイクが終わった時点で、先に教室を後にしたのですが、
後から先生に
「今日はありがとうございました。今日の生徒さんは毎回、涙しながら前に進みます。
泣くことに動じない方にモデルになって頂く必要があったので、△△さん(私)に
お願いをしました。また、引き受けて下さったら。幸いです。」と、言われたのです。
暇そうな、私に声をかけたのではなく、
生徒さんとモデルのマッチングまでちゃんと考えていたのか!!と、
先生の生徒さんに対する思いと考えの深さを感じました。
この授業に参加して思ったことは、私は先生ではありませんが、
支援員としてワンステップの利用者さんを思い、その利用者さんの
叶えたい未来のためにしっかりと尽力していきたい!
利用者さんの納得される支援ができるように、常に考えることと
状況を見定めることを怠ってはいけないということを思いました。
プロのメイクまで施してもらい、素晴らしい先生と生徒さんに
出会え、たくさんの学びも得られて、実りが多くある授業でした。