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コラム・日々のこと

支援者の視点や姿勢はどうなのか?

2017.01.31

皆さんは「働く」ということにどんな意味があるか?と聞かれたらどう答えますか?

「生活をするために必要なこと」「達成感を得るもの」「自己実現の1つ」など

それぞれに答えがあることでしょう。日本国憲法27条では

「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。」と謳われています。

 

昔関わりがあった精神障害者の方に同じ質問を投げかけてみると、

次のような言葉が返って着ました。

 

「働く」ということは、健常者(と呼ばれる人)が

普通にやっている普通の権利というけれど、

精神障害者にとっては、働いている中で

うまく仕事ができない自分に“いらだったり”

“あきらめたり” “病気の再発に怯えたり”と様々なことがたくさんあって

「働く」ということが単純ではないと思う。

だから、普通にやっている普通の権利には、ほど遠く

「働く体験や質がそもそも違う」と言っていました。

 

確かにその方の言う通り「たいへんな思いや経験」なのでしょう。

 

では障害をもった方が「たいへんな思いや経験」を経て、就職することができました。

それをゴールと位置づけてよいのでしょうか?

私たち支援者は、障害をもった方が「働く」=ゴール=自己実現と考えがちですが、

そんな簡単にゴールとか自己実現を結びつける訳にはいきません。

「働く」ということは生活のために「生活費を稼ぐ」のであって、

障害をもった方が「満足できる生活の質」を保証している訳ではありません。

「働く」ということは、「賃金を得る」ことだけではなのです。

私たち支援者は、「働く」ことだけに意味づけをするのではなく、その方が自分らしく、

「楽しめる生活」ができるよう、障害を持った方に寄り添えるような

支援をしたいと思います。

 

自分たちの価値観や世間的な通念を障害を持った方々に押し付けるようなことはせず、

「その方に合った、思いに寄り添える」という本来の支援のあり方を忘れずに

利用者さんに向き合いたいと思います。

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